毎日にちょっとだけ豊かな時間を

「そらのたね」のたね

この「そらのたね」を始めるきっかけは、開校した2018年の夏期講習の時。軽い熱中症で、具合の悪くなったおじいさんが塾の外に座り込んでいました。介抱していると、おじいさんが申し訳なさそうに「早く(あの世から)お迎えが来てくれれば良いんだけど」とつぶやきました。それが、私の中でずっとモヤモヤしていました。

「家族」「夫婦」「親子」という戸籍上のつながりだけではなく、身近な他人が支えあい、会話が出来る社会があれば、全ての人はもう少し生きやすくなるのではないか?

こんな大きなテーマをどうやったら解決できるのか見当がつきませんでした。日々、悩み続けるも、何も始められないままでした。単にコミュニティスペースとしても、目的もなく人は集まりにくいだろうし、何か人がここへ出向いてくるキッカケがないか?

ある日、中3の女の子に「受験が終わったら、何したい?」と聞くと「買い物に行って、洋服とかコスメを見たい!」と。ふと、自分も洋服を見に行くことが好きだったなと思い出しました。一人でふらっと洋服を見たり、お茶をする時間はとても豊かな時間です。

「洋服を扱ったらどうだろう。」あれこれ調べていると、洋服の廃棄が日本だけでも膨大なことを知りました。一度も店頭に並ばず倉庫にあるもの、まだ着られるのに捨てられたもの。その廃棄されるはずだった服を仕入れて売れば、ほんのわずかですが地球環境のためにも行動できる。

今は「ユニ〇ロ」「G〇」「シマ〇ラ」(〇にする必要あるのか(笑)?)でいくらでも安い服が売られています。質もデザインも決して悪くない。

でも、安く売られているということは、海外のどこかで安い人件費、材料費で作られているということでしょう。私もめっちゃお世話になっているので、批判なんてしません。

だけど、同じような価格帯で、まだまだ着られる、デザインが人とかぶらない物があったら、私なら嬉しい。そして、それを買うことで廃棄品が減るなら、なおさら嬉しい。

そんなこんなで洋服を扱うことが決まりました。

ちなみに、お店の名前「そらのたね」は、私が横浜で3年半やっていた喫茶店で使っていたものです。名前の意味は「何もないカラッポ(空っぽ)のところに、たねが落ちて、それをみんながお水を上げたり、お世話をしに集まってくる場所となる。そして支えられて大きく育っていく」

自分だけの力なんて小さいものなので、関わりを作ってもらいながら大きくなれたらなという他力本願的な名前です(笑)。

みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。